ホールICL体験記01 適応検査(2014年7月25日)

2014年7月25日

ICL体験記 眼内レンズ 視力 手術


このシリーズでは、有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)のうち、最新のレンズであるホールICL(穴あきICL)の手術を受けた体験を順次、記載しています。内容は2014年7月の手術前の適応検査から同年12月の手術を経て、術後の検診まですべてありのままに記述しています。視力矯正手術を考えている方に参考にしていただければと思います。ただし、あくまで私個人の体験であり、すべての方に当てはまるものではありません。どの視力矯正の手段が最適かは、人によりけりであり、すべての人にとって最適の手段というものはないことをご理解の上でご覧ください。

適応検査(2014年7月25日)

2014年3月にホールICL(販売名:アイシーエル KS-AquaPORTR)が厚生労働省から製造販売承認を受けました。承認以前から、すでに多くの施設で使用されていましたが、晴れて国のお墨付きを得たわけです。

ホールICLは従来のICLと異なり、後房から前房への房水の流出を妨げないため閉塞隅角を起こす心配がなく、虹彩切開が不要です。さまざまな面から考えて、現時点で最も安全性の高い有水晶体眼内レンズであることは間違いありません。

筋金入りの強度近視である私は、ホールICLの登場以前から眼内レンズに興味があり、数年前にも一度、某クリニックで説明を受けたこともあります。ただ、その当時は、ホールICLが存在しておらず、従って、ICLの手術の前に閉塞隅角を防ぐための虹彩切開が必須でした。虹彩切開の副作用として起こる角膜内皮細胞の減少とその結果としての水疱性角膜症のリスクを知った私は、手術に踏み切ることができませんでした。

しかし、ホールICLの登場で虹彩切開は不要となり、その分、角膜内皮細胞減少のリスクは大幅に低下しました。ひょっとしたらコンタクトレンズを使用し続けることによる角膜内皮細胞の減少のリスクのほうが高くなるかもしれません。

ホールICLが国内で使用され始めてから数年が過ぎましたが、特に問題も報告されていません。そろそろ真剣に手術を考えてもいいかと思っていたところ、厚労省によるホールICLの承認があり、背中を押すかたちとなりました。

ついに手術を決心した私は2014年7月25日、ホールICLの手術を受けるための適応検査を受けました。適応検査というのは、その手術を受けるのに適切かどうかを調べるための検査です。ICLの場合でいえば、ICLの適応条件である強度近視にあたるかどうか、ICLで矯正可能な近視・乱視であるかどうか、眼内レンズを挿入するのに十分なスペースが後房にあるか、禁忌にあたる眼疾患が存在しないか、などを調べます。

適応検査を受けるためには、検査前の一定期間、コンタクトレンズの装用を中止しなければなりません。これはコンタクトレンズには多かれ少なかれ角膜の形状に影響を与え、乱視を軽減させる効果があり、その影響は装用中止後もしばらく継続してしまうからです。コンタクトレンズによる影響が残存している間に検査してしまうと、本来の正確な視力が把握できなくなってしまいます。中止期間はハードコンタクトで1週間、ソフトコンタクトなら3日間です。私の場合はソフトコンタクトですが、適応検査に備え、22日から装用を中止していました。

適応検査当日、平日ということもあり、クリニックは比較的すいており、検査もスムーズに進みました。検査結果は以下のとおりです。

視力
裸眼 右:0.02 左:0.02
矯正 右:1.2 左:1.2

屈折度
右)球面:-15.25D 円柱:-1.00D Ax:15°
左)球面:-12.50D 円柱:-1.75D Ax:180°

角膜曲率半径
右)K1:44.00D Ax:2° K2:45.25D Ax:92°
右)K1:43.75D Ax:5° K2:45.25D Ax:95°

角膜厚
右:503μm 左:500μm

暗所瞳孔径
右:7.5mm 左:7.5mm

眼圧
右:9mmHg 左:11mmHg

角膜内皮細胞密度も計測され、問題なし、ということでしたが、検査結果の紙には項目がなかったので数値は不明です。

ひととおり検査がおわると、診察室へ移り、ドクターの問診と眼底検査が行われます。眼底検査の結果は問題なしでしたが、最強度近視のため、網膜に負担がかかっているらしく、一応、注意しておいたほうがいい、と指摘されました。強度近視が正常眼圧緑内障や黄斑変性のリスクファクターであることは知っていますが、自分自身の問題として面と向かって指摘されると少しショックです。が、とりあえずICLとは直接関係がありませんので、また別途考えることとします。

検査結果を受けてドクターから説明されたのは、①両眼とも見事な最強度近視であること。②よって、可能な術式は有水晶体眼内レンズしかないこと。③後房に十分なスペースがあり、レンズの挿入に何の問題もないこと。④以上のことから、後房型眼内レンズであるICLを薦めたいということ。⑤右眼については乱視が軽微で乱視なしのレンズで大丈夫だが、左目の乱視は無視できないので、左眼は乱視用レンズにする必要があること。――などでした。

もともとホールICL希望ですから、ドクターと意見は一致しています。後房に十分なスペースがあるというのも朗報です。

私のほうからも、ドクターにいくつか質問させてもらいました。以下はその質疑応答のまとめです。

Q:手術後不具合が生じた場合や、将来、白内障の手術が必要になった場合には、レンズを抜去しなければならなくなりますが、それは容易にできるものなのでしょうか。
A:レンズの抜去は容易にできます。特別に難易度の高いものではありません。抜去のための切開のサイズも、挿入の際の切開のサイズとほとんど変わりません。レンズを入れているからといって白内障の手術が困難になることもありません。

Q:左眼は乱視用レンズにしなければならないということですが、現在使用しているソフトコンタクトレンズは乱視用ではありませんし、それで見え方に問題も感じないのですが、それでも乱視用にしないといけないのでしょうか。
A:現在、乱視矯正機能のないソフトコンタクトで問題なく見えているのは、コンタクトレンズ自体が持っている乱視軽減作用のおかげと考えられます。したがって、乱視なしレンズを挿入した場合は矯正が不十分になる可能性が高く、乱視用レンズを使用する必要があります。

Q:ホールICLを使用すれば、レンズ挿入による閉塞隅角のリスクはほとんどなく、レンズ挿入後も、抗コリン薬等の服用も問題ないと考えていいでしょうか。
A:その理解で間違いありません。

Q:現在はICL手術を受ける方のほとんどはホールICLなのでしょうか。
A:ほとんどがホールICLです。虹彩切開手術は意外と痛いですし、まれではありますが、切開後、視界に異常を訴える方もおられるので、虹彩切開が必要な穴なしのICLをあえて選択する必要はほとんどありません。

ドクターの問診が終わると、カウンセラー(たぶん看護師だと思いますが)の方から、今後のスケジュールや費用、手続きについての説明を受けます。今回の適応検査とは別に再度、レンズの度数・サイズを決定するための検査を受ける必要があります。当然、また直前3日間はコンタクトレンズを使用できません。これが面倒です。実は私は明日も休日なので、明日受けられるならそれが一番です。ただ、今日の明日で再検査というのもどうかと思いますが・・・とりあえず、駄目もとで「明日はどうですか」と聞いてみたところ、「大丈夫ですが、明日は土曜で込み合うので少し時間がかかると思います」とのこと。明日済ませられるのなら、多少時間がかかってもそのほうがいい。早速明日7月26日に再検査を申し込みました。ただ、明日はやはり混むことが予想されるので、今日できる検査をひとつ済ませておきましょうか、とカウンセラーが勧めてくれました。断る理由もないので、受けることにしました。「眼の幅を測ります」といわれ、「眼の幅」ってなんだ?と思いながらついていくと、どうやら虹彩径を計測する検査らしい。局所麻酔の点眼をしてから手術室に入り、まばたきできないようにする装置をパカッと眼球に装着し、ドクターが幅を測ってくれる。記憶が確かなら、右が11.9㎜、左が11.3㎜だったと思います。

以上で今日の検査は終わり。検査のための散瞳薬の点眼をして瞳孔が散大したままになっているため、外に出ると日光がまぶしくて普通に目を開けていられません。瞳孔反射がいかにありがたいものかを実感しながら帰途につきました。明日は再検査です。