コロナ禍中のランニングマナー

2020年5月3日

ランニング 新型コロナウイルス


新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言のもとでも、健康維持のための屋外での運動は外出自粛の対象外とされていますが、当然のことながら、運動目的の外出だからといって感染防止を意識しなくていいというわけではありません。

症状がなくても自分が感染している可能性もありますし、他の人がそうである可能性もあります。今回はランニングに焦点を当てて、自分が感染すること、他人に感染させてしまうことを防ぐためのランニングマナーをまとめてみました。

1人で走ろう

普段はランニングクラブなどに所属して集団で走っている方も多いと思いますが、現在の状況では集団でのランニングは避けるべきです。屋外とはいえ、集団でかたまって走っていれば、それは「密集」「密接」に当たります。今はとにかく1人で走ってください。

普段、集団で走っている人にとって、自分ひとりだけで走るのは精神的にしんどく感じるかもしれません。しかし、これもメンタルトレーニングの一環ととらえれば乗り切れるでしょう。

対人距離をあけよう

ランニングコースに他のランナーや歩行者がいる場合、お互いの接触を避け、十分な距離をあけないといけません。1人で走っているランナー同士が接近してしまえば、それは集団で走っているのと同じことです。

通常時に推奨されるソーシャルディスタンスは約2メートルですが、ランニング時は呼吸が激しくなるため10メートル以上あけるべきだという海外のシミュレーション結果もあります(検証が不十分で信憑性に問題があるという意見もあります)。

http://www.urbanphysics.net/COVID19_Aero_Paper.pdf

基本的には他のランナーとの距離を5~10メートル以上はあけ、一瞬すれ違う時でも2メートルはあけるようにするのが無難でしょう。それが不可能な場合、その場所はもはや「準密集」状態なのかもしれません。ランニングコースの変更を考えたほうがよいと思います。

マスク(等)をしよう

屋外とはいえ、誰かに遭遇する可能性がある以上は、飛沫の飛散を抑止するためにマスク等で口と鼻を覆っておいたほうがよいと考えるのが妥当です。効果があるかどうかエビデンスが揃うまで、すべきかどうかとなれば、しておいたほうがいいに決まっています。「効果がない」ということがはっきりしたら、その時になってマスクをはずせばいいだけの話です。逆に「効果がある」ということがはっきりしてからマスクをし始めたのでは手遅れです。

ノーベル医学生理学賞受賞者にしてサブ3.5ランナーの山中伸弥先生もジョギングエチケットとしてマスク等の着用をすすめています。ただし、山中先生自身はマスクが苦手ということでバフで鼻と口を覆う方法を紹介しています。


ただ、マスク等着用ランニングの場合、通常のランニングより熱中症のリスクが高まる可能性に注意しないといけません。

マスクで息がしづらくなることで体に負荷がかかるというだけではありません。呼吸には、ガス交換だけでなく体熱放散の効果もありますが、マスクをしていると、していないときに比べて、吸気の温度と湿度が上がりやすく、呼吸放熱を妨げる可能性があります。そうなると当然、熱中症のリスクは高まります。

僕自身、4月はマスクをして走っても息苦しさは感じず、ランニングパフォーマンスにも影響はほとんどありませんでしたが、5月に入って気温が上がると、明らかに体への負荷が大きくなったことを実感しました。今後さらに気温が上がってくれば、危ないかもしれません。感染の収束が見通せず、対策が長期化すると見込まれているだけに、マスクランニングによる熱中症リスクについての注意喚起が必要になると思います。

熱中症のリスクを下げるため、水分摂取など通常の熱中症予防方法に加えて、

  • トレーニング強度を普段より下げる
  • 途中こまめにマスクをはずして呼吸して休憩をとる(対人距離を十分保った場所で)

などしたほうがいいと思います。また細かいことかもしれませんが、マスクやバフも黒いものは避けたほうがいいのではないかと思います。

無理をしない

無理をすれば、熱中症などのリスクが高まります。あるいは足を痛める可能性も出てきます。もちろん普段でもそのようなことがないように注意すべきですが、現在は普段以上に気を付けないといけません。多くの地域で医療供給体制は逼迫しており、熱中症になったときに受け入れてくれる施設があるかどうかもわかりません。今はとにかく無理はせず、余力を残して終わるくらいのトレーニング強度にとどめるべきです。

以上まとめると、人との接触を最小に、飛沫対策を十分に、決して無理をしない、ということになります。オーバーシュートになれば運動目的の外出もできなくなることもあり得るでしょう。そうならないためにも、ひとりひとりのランナーが、感染しない・させないためのマナー・エチケットに気を付けたいものです。